マヨネーズとケチャップ
ロゼ様&真珠 このお話はNidan-va Landの「マヨ嫌同盟」様に捧げます(^_^;)。お願い…この話はオスカー様のファンの方には不向きですので
お読みにならないようお願いいたします。
万が一お読みになって激怒なさっても当方では責任はもてません
(^_^;)。ごめんなさい、オスカー様&オスカー様ファンの皆様
<(_ _;)>
つねづね考えることがある。
なにがどうして、こんなにムカムカするのか?
今日も宮殿の入り口で顔をあわせて、やったことは言いがかりに近い言葉を浴びせて
つまらない口論だ。
俺は青臭いガキじゃない、レディをエスコートするにはガキじゃできないからな。
それなのに、どういうわけかアイツの顔を見ると…。
あぁ、食事前につまらないことを考えるのはやめよう。
ウエイトレスのお嬢ちゃんを心配させてしまうかもしれないからな。
食堂に入ると…おぉ…新しいウエイトレスのお嬢ちゃんがいるな。
楽しい昼食になりそうだぜ。
席につくと我先にウエイトレスが押し寄せてくる。
俺も罪作りな男だ。
「どうやら、間違えて天界の花園にきてしまったようだな。宇宙に2つとない美しい花達ばかりで…
俺は酔ってしまいそうだ。君の桜色の唇に…そちらの君は紫水晶の瞳に…あぁ、もちろん君も!
その象牙の指先が…」
ボカッ。派手な音が後頭でした。
「な〜にやってんのよ!このスケコマシ!」
オリヴィエ…。せっかくの楽しいひとときがだいなしだな。
睨みつけても平気な顔で正面に腰掛けると、俺を無視してオーダーをはじめる。
「え〜と魚のソテーね。サラダはビネガードレッシングで、
それと飲み物はアロエとグレープフルーツのジュースをお願い。」
クソッ。俺のオーダーはまだなんだぞ。
「あの…オスカー様は?」
よく聞いてくれた。かわいい子猫ちゃんだ。
俺は彼女の手をそっと握り締めた。赤くなってうつむく彼女の可愛らしい耳たぶに唇をよせてささやく。
「君がたべたい…」
ぐわっしゃー。オリヴィエの手に握られた帽子かけが俺の頭を直撃した。
奴の腕には盛大な鳥肌がたっていた。
目を上げるとオリヴィエは、まだブツクサ言っている。
「最初っから、そーやって大人しく食べてりゃ良いのよ。
それなのに…あぁ、イヤ!思い出しただけで鳥肌になっちゃう」
しっけいな…勝手に来て俺の楽しいランチタイムをぶち壊しにしておいて…
だが、脅されてる今は頷くしか出来ない。
やつは、こともあろうに片手に巨大な業務用マヨネーズを持ち
何かしゃべったら俺のカプチーノに入れると言っているんだ。
あぁ…可愛い女の子に囲まれての甘い時間が…。
それに目を留めたのはしゃべることも許されず、ひたすらそれをちらつかせられていたからだろう。
マヨネーズ…いつもなら見えるところには行かないので
よく見たことはなかったが…ツルンとしていて生白くって…
うぅ…吐き気がしそうな物体だ。
こんなもの、この世に二つとないぜ。
…二つとない…自分の意識の中で何かが弾けた。
ある…似てるもの…。
俺はヒクリと自分の口元が引きつるのを感じた。
いけないいけないと思いつつ笑いがもれる。
「どうしたのよ、あんた?。頭いかれちゃったの?」
だが俺は自分が気がついたことにむせるほど笑い転げずにはいられなかった。
ひとしきり床を転がるように笑った後、俺はこの面白い発見を誰かに話したくなって
カプチーノにマヨネーズを山盛りに流し込んでるオリヴィエの肩をつかんだ。
「なー、な…なあ、リュミエールってマヨネーズに似てないか?
生白くて甘くもなけりゃ辛くもないわけわからない中身で
ツルツルして一見おキレイそうで…」
ふたたび笑いがこみあげてくる。
笑い転げる俺にオリヴィエはつめたーい目を向ける。
「だから嫌いなの?自分はケチャプ男のクセに!」
はっ?ケチャップ?
「ケチャップ色の頭をしてるじゃない」
むかっ!このセクシーな情熱の色がわからないのか!?
ふん、まあ野郎なんかにわかるわけないか。俺の全ては全宇宙のレディの為にあるんだからな。
「おまけにアンタ笑いすぎて顔までケチャップ色…あらら…本当にケチャップじゃない?!」
テーブルにぶつかった時に頭の上から降ってきたのに気がつかなかったらしい。
こんどはオリヴィエが爆笑しだした。
「イヤ〜、お化粧が落ちちゃうじゃない。そのおもしろいもの、どっかやってぇ〜。
お願い〜」
なんだと!この2枚目の俺はケチャプをかぶろうが2枚目なんだ。
俺は怒りに燃えて食堂を後にした。
後日、俺は何故かリュミエールと仲良くなった…らしい。
ただ単にアイツと顔を合わせると吹き出してしまいそうになるだけなんだが
絡みもせずに笑う俺にアイツとしては好転と思っているらしい。
単純でおめでたい奴だ。
だが、そんな俺に周囲も評価を高くしたようで皆にこやかに接してくれる。
まぁ人徳と言うものだな。
「ねぇねぇ、ロザリア?」
「まぁ、アンジェたら。声が高いわ。」
「オスカー様の…」
「あれ?アンジェ達も知ってるんだ。」
「笑っちまうよな」
「俺、ちゃんとこらえてるよ」
「あ〜、ですけど苦しいですね〜」
「フッ、ケチャップ…」
「まったく、食堂の床中転げまわって破壊したうえ…
あきれて…くくくくく…いや!けしからん。ゴホン」
皆の手元には誰が配ったのかケチャップで鼻毛をのばしたパンダのような顔になったオスカーが
思いっきりしまりのない顔で笑っている写真があった。
終わり
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水鳴琴の庭 銀の弦 ****