「えっ!ぼくに会いに来てくれたの?
嬉しいな。
ぼく…君が誰かと待ち合わせなのかもって
ちょっと悲しくなった…。
でも違ったんだね。よかった!。」
「ねぇ、オーロラを見に行かない?
ペンギンさんもいるんだよ。
オリヴィエ様?
だ…大丈夫だよ。
ぼく負けないもん。
た…たぶんね。
…
ちょっとだけ…助けてね。」
「見て見て!
ペンギンさん!
可愛いね。
あのね…ここって
とっても寒いでしょ。
だからペンギンさんは卵が凍らないように
ご飯も食べないで足の上に
乗せて暖め続けるんだって。」
「ぼくも…君を守るためなら
チェリーパイだってシュークリームだって
食べないよ。
ほ…本当だよ。」
「チェリーパイよりシュークリームより
ううん。どんなお菓子より、
どんなものより、どんな人よりも、
君が好き!大好きなんだもん!!」
「愛してる…
ぼくだって、それくらいわかるよ。
いつまでも子供じゃないよ。
ドキドキする胸も
お菓子よりも甘い痛みも
君を愛してるからなんだって…。」
「君も…?
よかった!!
とっても嬉しいよ!
君の中にも
ぼくと同じ嬉しい気持ちがあるんだね!
この雪が、ぜ〜んぶワタアメより
ずっとずっと嬉しい!
もちろんホワイトチョコレートやムースでも
比べられないくらい嬉しいよ。」
「…
ねぇ、キスしてもいい?
キスって本当に甘いのかなぁ?
君を見てたら…幸せで…
ふれてみたくて…
大好きではちきれそうな気持ちが
そうしたいって言うんだ。」
「…」
「…ごめん…
驚かせちゃった?
だって、ビックリした顔してるから…。
よかった…怒ってなくて。
でも君の…
頬って本当にやわらかくて甘くていい匂い!
ぼく、家族以外にキスしたのって
はじめてなんだ。
すっごくドキドキしちゃった。」
「あれ?教会の鐘の音かな?
『クリスマスクロス』の共鳴音?
そうなんだ。
1000年に一度だけ惑星が正十字に並ぶ時に
聞こえるっていう言い伝えがあるんだ?ぼく知らなかったよ。
綺麗だね。
オーロラも喜んで飛び跳ねてるみたい。
ぼくと君が嬉しい気持ちだからかなぁ?」
二人分の嬉しい気持ちに合わせて
『クリスマスクロス』の鐘の音もオーロラも踊りを踊っているようでした。