「えっ!なんやメチャ嬉しいな〜。

それ、ほんま?

なんやろ寒さなんてぶっとんでしまったわ。

わいなぁ、あんたが誰かと待ち合わせてるんやろか

と思ったらな。

かいろあげるより先に

ずーんと心の底から寒うなってしまってな。

もう商売っ気もなくなってしまったんや。

商売人が商売っ気なくしてしもうたら

しまいやもん。

このまま凍ってまうかと思ったでぇ。」

 

「あ〜、笑うなんてひどいんやない?

わい、けっこう繊細なんやで。

まぁ、真顔でうけとれんでも困るんやけどなぁ。」

 

「でも今日は、ほんま商売はなしや…

あんたと2人ですごすクリスマスイヴやもん…。

雪もやんできたし

やっぱロマンチックに…」

 

「なぁ、こっちによってぇな…」

 

「目を閉じて…」

 

「…・・・・・・」

 

「うまい?」

 

「うまいやろ?」

 

「じゃ〜ん、正統派関西風たこ焼きや!

う〜ん絶品やなぁ♪」

 

「あれ?どないしたの?

どっから出した?

企業秘密や…けど特別に教えたる。

この『ワンタッチどこでもたこ焼き焼けちゃうマシーン1個用ミニ

開発番号9876特許出願中』や。

いい味だしとるやろ?

商品化したら売れるでぇ♪

歩きながらでもオフィスでも

いつでも手軽に誰でも美味しくウォン印のたこ焼き器って。」

 

「一回に一個しか出来ないとこもミソなんや。」

 

「なんでやって?

一個でも恋人同志なら半分こづつ…

…な?アツアツやろ?

あ〜うま〜。」

 

「…でも、やっぱ…あんたの方が…美味しいわ。」

 

その時、1000年に一度、惑星が正十字に並ぶ時に聞こえるといわれる

鐘のような共鳴音が響いて2人を祝福

…したんですけど…聞こえてないみたいですねぇ?。