「…俺を…?…探していた?
不思議なことをいうんだな。
まるで俺が何者なのか知っているみたいだ。」
「俺は…いつも、あいつらが心配で…
気づかれないように見守っているうちに
君に気がついた。
そのうちに…何時の間にか君だけを見ていた
君を探していた。」
「でも君は気づいていないと思っていた。」
「想いは…伝わるものなんだな。」
「今まで他人を包むことしか考えていなかった俺が
この寒さの中で包まれている…
君に…。暖かく…。」
「雪の見せる都合のいい幻じゃないことを
感じさせてくれないか。
このうでの中で…。」
「あぁ…暖かいな君は心も身体も…。
…
雪が晴れたな…オーロラが見える。
虹の衣が舞うような…といったのは誰だったかな。
それでも今まで俺には本当の美しさが見えていなかったみたいだな。
君がいて初めて真の美しさにふれた気がするよ。
…
でも君への愛しさには、とうてい届かないだろう。
…想いの丈だけ強く抱きしめさせてくれ。」
「鐘の音が聞こえる?
いや…あれは『クリスマスクロス』の共鳴音だ…
惑星が正十字を描く時に響くといわれる伝説の。
1000年に一度のその日が今日だったんだな。」
「メリークリスマス…
もう0時だ。
今日は宮殿でクリスマスパーティーがあるんだろう?。
久しぶりに顔を出してみるか。
あいつらの驚く顔も見てみたいしな。」
「その後は…2人で…」
オーロラの舞う晴れた夜空に天使の羽のような雪も舞い始めました。