「なにか用があるなら言うがいい

どうした?

黙っていてはわからんぞ。」

 

「なぜ…そんな顔をする…。

私は…私は、こんな物の言い方しかできぬが

叱ってるわけではない。

いや、むしろ嬉しい…お前と会えたこと…

お前が…私に会いたかったと言ってくれたことが・・・。」

 

「おかしいか?私が、このようなことを言うのは。

だが真に、そうなのだ。

お前に会いたかった。

他の誰でもない、お前に。」

 

「喜んでくれるのか…

だが…私は今宵お前に会って喜ばしいと思うだけ

…それではすまなそうだ。

私は…お前を私ひとりのものとし帰したくはない

どこにも。

怖くはないか?このように自分勝手な私が。」

 

「このようなことを言って怯えた小鳥のように

飛び去ってしまうかと思えば…

お前は…天から降りてきた天使のようだ。

突然このような私の腕の中に飛び込んでくるとは。」

 

「はしたない?…いや…お前は…お前の行動も言葉も全てが

神の御技だ。

天使の無邪気さに眉をしかめたり、たしなめる者などいない。」

 

「お前の白い指先にくちづけさせてくれ

女王にではなく忠誠を誓うのでもなく

ただ一人の女性に愛を誓うために

この私が、このようなことを言うとは…。

だが私は恥じたりはしない

むしろ誇らしく思っている。

私がお前を愛するということは誇りなのだ。

私の心の中から輝きをもってあふれ出る愛は

何にもかえがたく…

私を幸福にしてくれる。」

 

「ありがとう。

お前を愛して…愛されて…私は・・・

誰よりも幸せだ。」

 

「あぁ…『クリスマスクロス』の共鳴音が鳴りはじめたな。

1000年に一度だけ惑星が正十字に並ぶ時に

聞こえるという言い伝えの音だ。

私は聖なる音色に誓おう。

お前を…お前だけを生涯かわらずに愛することを。」

 

オーロラがひときわ強く美しい輝き放ち

愛し合う二人の誓いを見届けた。