「…私と?…会いたかった?
…愚かなことだ…
…」
「…いや…
お前のことではない…
…
…
お前の言葉に
心がふるえている私自身が愚かだといったのだ。」
「なぜ…私の心を乱す…?」
「いや…お前を責めるのは筋違いだ。
他の者なら…
…こんなことはあるまい…。」
「お前だからこそ…
可能なことだ。
私の心の闇を照らす天使よ。」
「極寒の地でも…
お前は…暖かいのだな…。」
「お前という光を抱いて包み込み
全てから隠しさる闇になりたい…
だが…
お前という光は
私が覆い隠すことの出来ぬほど
強く大きい…。」
「お前は私の闇を
その身に抱いても
寸分の陰りも無く輝きつづけるだろう…。」
「…?
違うと…言うのか?
お前の、その輝きが…
…
私ゆえに?」
「…そうか…
…
そういうものかもしれない…
お前が言うのだから…。」
「何も見えていなかった…
私はやはり愚か者だろう…
だが…
もっと愚かになるだろう…
お前への…
…愛ゆえに…」
「『クリスマスクロス』の共鳴音が鳴りはじめたな。
1000年に一度だけ惑星が正十字に並ぶ時に
聞こえるという言い伝えの音だ。
あの鐘の音のような音に
オーロラが…ふるえているな…
まるで私達の心のようだ。
寂しさに震える時は終わった。
今は喜びにふるえている…。」
闇の中に閉ざされた白い雪原が朝を迎えて
命を得たように輝きだしました。