「俺に?何か用なのか?

そ…そんなに真っ赤になってモジモジされても

俺は…どうしたらいいかわからんぞ。」

 

「あ…す…すまん。

お前が、あんまり可愛らしいものだから…

いや、俺が…こんな言い訳をするなんて男らしくないな。

お前を抱きしめてしまったのは

お前を離したくなかったからだ。

誰のところにも行かせたくはない。

俺は…お前を愛している。」

 

「どうした?

そんなにしっかり抱きつかなくても

いや…その方がいいな。

風が強い。

お前は風にさらわれてしまいそうだ。

俺の体の影にいろ

寒さも少しはましだろう。」

 

「なに?風でよく聞こえないぞ。

え…?

あ…いや、お・・・俺の都合の言いように

聞こえてるだけじゃないといいんだが…

そ…それとも風のいたずらか…。」

 

「あぁ…すまん。

そんなに怒らないでくれ。

そうか…勇気を出していってくれたんだな。

ありがとう…

俺は幸せ者だ。」

 

「風がやんだな…

だが…まだ抱きしめていてもいいんだな。

あぁ、それが嬉しいんだ。

お前も?

…そうか。嬉しいな。」

 

「オーロラが見えるな…。

ここで、あの空を見上げながら

昔のことを思い出す時

以前に感じていた苦い痛みではなく

純粋な懐かしさと哀悼の気持ちになれたのは

お前のおかげだ。」

 

「俺は、お前を愛して…愛されて、欠けていたものを手に入れた。

いま何にでも耐えられる…そんな気がする。

いや、お前を失うことだけは耐えられない・・・

そう思うがな。」

 

「ん?『クリスマスクロス』の共鳴音が鳴りはじめたな。

1000年に一度だけ惑星が正十字に並ぶ時に

聞こえるという言い伝えの音だそうだ。

あの大きな音さえ俺には、お前がいなければ聞えない気がするぞ。

全ては、お前からはじまるから…。

オーロラが美しいのも、あの音に心おどるのも

お前がいるから…

愛するお前がいるからだ。」

 

白く輝く雪原も夜空に輝くオーロラも

二人の愛に幸せ色に染まって行くようでした。