「え…あ…あなたの心を

…ですか?

私は心理学は専門外でして…

それに…

気が進みません…

あ…あなたの心を分析して

もしも…

もしも…

いえ、こんなこと言うべきではないでしょう。

私の勝手な思いです。」

 

「…!

そ…そうですか…

やっぱりあなたには好きな方がいるんですか。

…眼鏡をかけてて、頭が良くて、笑うととても優しい目で・・・

…そ…それは…素晴らしい方ですね。

そんな方をお待たせしていないで

早く行ってはどうですか?」

 

「なんでわからない?って…

どういう意味です?

それこそ分析不可能ですね。」

 

「えっ…な…なんで泣くんですか?

その男が何かしましたか?

あ…あなたを傷つけるようなら

私が…許しません。

えぇ…絶対に!」

 

「ち…違うんですか…?

だったら…早く行って…

その男の腕にとびこんだらどうですか?

あなたが選んだ人が、あなたを幸せにしてくれるように

祈っていますよ…。」

 

「…?!

わ…私は…

あの…その…恋人の腕にとびこんだらと…

ですから…私ではなくて…

その…

…眼鏡をかけてて、頭が良くて、笑うととても優しい目で・・・

とかいう…

眼鏡?珍しいですね?あまり見かけない気がしますが?

もしかしたら聖地では

私くらいかも…

…?」

 

 

「は?

わ…私のことなんですか?

そ…そんな…

あ…あなたは

いつも分析不可能ですね。」

 

「あなたの笑顔がまぶしいことも

あなたに会うと胸が高鳴ることも

分析不可能…

いえ…私はあなたが好きです。

分析することのできない感情ですが

わかります。」

 

「あなたを…愛しています。」

 

「あ…『クリスマスクロス』の共鳴音が響いてきました。

1000年に一度、惑星が正十字に並ぶ時に聞こえるんです。

今回の共鳴は0:00です。ですから今ちょうど0時ですね。」

 

「ですけど…

今は、ただ美しい鐘の音のように聞こえます。

煌くオーロラもなにもかもが…

あなたを彩るようです。」

 

空を見上げる2人をオーロラの帳がそっと包み隠しました。