「ふん、乗せてやってもいいぜ。

他の女じゃダメだけど、おめーならよ。

ほらっ、いくぜ！

しっかりつかまってねぇと

ぶっとんじまうぞ。」

「………あのなぁ、

…………

やっぱ、そんなにしがみつくなよ。

…

胸が…な…なんでもねぇよ。

とばさねぇから

ともかく、しがみつくな。

そ…そのよぉ、

オーロラも綺麗だし見ないのも損した気分だろ？

えっ？

あ…あぁ、そーだな…雪ばっかでオーロラなんて

みえねぇな…」

「なぁ…寒くねぇか？

よく考えたら、おめー随分と薄着じゃねか…」

「バ…バッカか、おめー。

…さ…寒そうだから暖めてやろうっていうんじゃねぇか。

別におめーを抱きしめたくなったわけじゃねぇぜ。

ただ、ちょっと…おめー、可愛いな。」

「あぁ…『クリスマスクロス』の共鳴音が聞こえるぜ。

鐘の音に似てっけどよ。

惑星が正十字に並ぶ時の共鳴音なんだってよ。

宇宙空間に隔てられても響き合うなんて不思議な気がするよな。

なぁ…俺とおめーも…そんなふうに響き合えっかな？」

「ちぇっ…当然って顔だぜ。

そうだな、こんなところでも会ったりすんだからな。」

「見ろよ、何時の間にか晴れてるぜ。

今度は本当にオーロラが見えるな…。

なぁ…クリスマスパーティーなんて

ふけっちまおうぜ。

おめーと一緒に雪の上をスノーバイクぶっとばして

どこまでも行きてぇんだ。」

夜空を彩るオーロラは２人の行き先を指し示すように輝いていました。