「そう…嬉しいわね。
うふふふ
本当よ。
手を貸して…ほら、私こんなにドキドキしてるでしょ。」
「なーんてね。
つっかまえた!。
もう私の腕の中から出さないって言ったら
どうする?」
「いいの?
私ホンキよ。
氷の彫刻なんて冷たくてつまらないものより
暖かいあんたの方が
綺麗だし
ずっと素敵だからね。
なんでって?
わかんない?
私を美容の大敵の寝不足にする
愛しい天使。
どんなメークをしても
オーロラのような生地で衣装をつくっても
あんたに似合う色かしら?あんたに着せたらどうかしら?
そればっかり考えちゃうんだよ。」
「あんたは、何もしなくても
誰より眩しく輝いていて
私の心を捕らえて放さないのにさ。」
「どんな宝石も衣装も
あんたの前では色あせる。
なによりも気高い愛の力を持った
あんたの前では。
その愛を私にくれない?
そうね…
私の全てをあげるから。
引き合わなかったら衣装も宝石もお化粧品もつけるからさ。」
「私の方が引き合わない?
とんでもないわ。
私なんて今あんたの綺麗な瞳から流れた
ひとつぶの涙の輝きにも足りやしない。
う〜ん、もっと自分を磨いておけばよかったって
ドキドキしてるんだ。」
「そんなことない?
あ・り・が・と
嬉しいわ。」
「私こそ愛してもらえますかって?
や…やーねー、そ…そんなこと言われたら
私、舞いあがっちゃって何も言えなくなっちゃうじゃない。
あん…もう!あんたって…
あんたって…ホント可愛いんだから!
大好きよ…。」
「あぁ『クリスマスクロス』の共鳴音が鳴りはじめたわね。
1000年に一度だけ惑星が正十字に並ぶ時に
聞こえるっていう言い伝えの音なんだってさ。
ミレニアムな鐘の音を聞きながら
オーロラのベールをかぶるあんたに
キスしていい?」
かなり長い時間ひびきつづける鐘の音ですが
二人のキスは、さらに長く続いていました。